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【徹底解説】着物バイトは本当に「きつい」? 華やかな舞台裏のリアルと乗り越え方

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この記事でわかること

 

「着物バイトはきつい・やめとけ」という噂は本当? 憧れだけで飛び込むと後悔する「身体的な痛み」や「人間関係」、そして「お給料の裏話」までを優しく解説。辛さを減らす便利グッズや、ホワイトな職場の見分け方も教えます。

 

その憧れ、後悔しないために

 

「着物を着て働けるなんて素敵!」

そう思って求人を探し始めたあなた、ちょっと待ってください。検索すると出てくるのは「きつい」「地獄」といった怖い言葉ばかりですよね。

でも、安心してください。この「きつい」には明確な理由と、ちゃんとした対策があります。

この記事では、現役スタッフの声やデータを元に、着物バイトのリアルな実態を包み隠さず、でも分かりやすくお伝えします。これを読めば、あなたが「やっぱり挑戦したい!」と思えるか、「自分には合わないかも」と判断できるか、はっきりするはずです。

1. どうしてそんなに辛いの? 身体が悲鳴を上げる3つの理由

 

着物バイトが「きつい」と言われる最大の原因は、普段の洋服とは全く違う環境で動かなければならない点にあります。

 

1.1 帯(おび)がお腹を締め付ける「苦しさ」

 

着物の要(かなめ)である帯。これが意外なほど体力を奪います。

  • ご飯が食べられない問題:
    帯や板でお腹周りをガチガチに固定するため、胃が膨らむ余裕がありません。休憩中にいつもの調子でお弁当を食べると、午後の仕事中に気持ち悪くなってしまうことも。「腹八分目」が鉄則です。
  • 酸欠になりそうな息苦しさ:
    胸やお腹を紐で締めるため、深い呼吸がしにくくなります。忙しい時にお店の中を早足で動くと、すぐに息が上がってしまい、慣れないうちは立ちくらみすることもあります。

 

1.2 足の激痛! 草履(ぞうり)という試練

 

「足が痛くて辞めたい」というのは、本当によくある悩みです。

  • 鼻緒(はなお)擦れ:
    普段スニーカーに慣れた足にとって、親指と人差指の間で体重を支える草履は強敵です。特に新しい草履は鼻緒が硬く、数時間で皮がむけて血がにじんでしまうこともあります。
  • クッションがない:
    業務用の草履は底が硬いものが多く、旅館の石畳や料亭の木の床を歩き続けると、その衝撃がダイレクトに腰や膝にきます。立ち仕事用のインソールが入れられないのも辛いところです。
  • 筋肉痛の場所が違う:
    着物が着崩れないように「すり足」で歩いたり、正座から手を使わずにスッと立ち上がったりする動作は、太ももの前や内側にかなりの負荷をかけます。初日の翌日は、ロボットのような歩き方になるかもしれません。

 

1.3 トイレに行くのが「大イベント」になる

 

着物を着ていると、トイレに行くのも一苦労です。

着物、長襦袢(ながじゅばん)、肌着を一枚ずつ丁寧にめくり上げ、帯にクリップで留めて……と準備するだけで数分かかります。

「忙しいのにトイレに行ったら迷惑かな」「崩れたら直せないし」と我慢してしまい、水分をとらなくなる人もいますが、これは熱中症の原因になるので要注意です。

2. お金と時間のリアル:時給は高い?低い?

 

「時給が高そう」というイメージがある着物バイトですが、見えないコストも考慮する必要があります。

 

2.1 「着替え時間」はお給料が出ないかも?

 

ここが一番の落とし穴です。

多くの職場では、「着替え終わってからタイムカードを押す」というルールが暗黙の了解になっています。

  • 着付けの時間:慣れていないと30分〜1時間かかります。
  • 片付けの時間:脱いで畳むのに15分かかります。
    もしこれが無給だとしたら、1回の勤務で1時間近く「タダ働き」をしている計算になります。時給1,200円でも、実質は1,000円くらいに下がってしまうかもしれません。

 

2.2 最初に買うものが意外と多い

 

「制服貸与」と書いてあっても、肌に触れるものは自分で用意するのが基本です。

  • 肌襦袢(はだじゅばん)・裾除け:着物の下に着る下着。
  • 足袋(たび):白足袋は汚れやすいので数足必要。
  • 紐や小物:腰紐、伊達締め(だてじめ)、襟芯(えりしん)など。
    これらを揃えると、最初に7,000円〜1万円くらいの出費になることがあります。「初任給が入るまでは赤字」ということも覚悟しておきましょう。

 

2.3 それでも時給は魅力的?

 

とはいえ、一般的な飲食店よりは時給が高めに設定されているのも事実です。

  • 料亭・高級店:時給1,300円〜3,000円以上のところも。マナーやスキルへの対価です
  • 旅館(リゾートバイト):寮費や食費が無料になる場所なら、生活費が浮く分、手元に残るお金は多くなります
  • チップ(心付け):旅館や料亭では、お客様から数千円のチップを頂けることも。これは他のバイトにはない嬉しい臨時収入です

3. 職場によって全然違う! あなたに合うのはどこ?

 

一口に「着物バイト」と言っても、働く場所によって大変さのレベル(と種類)が違います。

 

3.1 旅館の仲居さん(リゾートバイト含む)

 

  • 体力勝負度:★★★★★
  • 特徴:一番体力を使います。重い布団の上げ下げや、広大な館内の移動があるためです。「中抜け」というシフト(朝働いて、昼休みが長く、夜また働く)がつらいという声も多いですが、逆に昼寝ができるから好きという人もいます。
  • 救世主「二部式着物」:最近は、上下が分かれていて洋服のように着られる「二部式(にぶしき)」や「作務衣(さむえ)」の旅館が増えています。これなら着替えも楽で、体への負担はずっと軽くなります

 

3.2 料亭・高級和食店

 

  • 精神的プレッシャー度:★★★★★
  • 特徴:政治家や会社の重役など、VIPなお客様が来店されます。「上座・下座」などのマナー、正しい言葉遣い、そして料理の知識が厳しく求められます。
  • 人間関係:ベテランの仲居さん(お局様と呼ばれることも…)との関係に悩む人も多いです。でも、ここで認められれば、どこに行っても通用する一流のマナーが身につきます。

 

3.3 着物レンタル・観光案内

 

  • スピード勝負度:★★★★☆
  • 特徴:観光地で、お客様に着付けをしたり案内をしたりします。成人式や桜のシーズンなどの繁忙期は、目の回るような忙しさです。
  • 特徴:接客はフレンドリーで、英語を使う機会も多め。堅苦しいマナーよりは、テキパキ動くことや語学力が評価されます。

4. 辛さを乗り越える! 現場スタッフの知恵袋

 

先輩たちが実践している、少しでも快適に働くための工夫を紹介します。

 

4.1 足の痛み対策グッズ

 

  • 絆創膏とベビーパウダー:指の股にあらかじめベビーパウダーを塗ったり、絆創膏を貼ったりして摩擦を防ぎます
  • クッション足袋:足袋の中敷き(インソール)や、底が厚くなっているストレッチ足袋を使うと、疲れが全然違います。
  • 草履をほぐす:新品の草履は、鼻緒をグイグイ引っ張って柔らかくしてから履きましょう。

 

4.2 汗とトイレの対策

 

  • 股割れショーツ:和装用の下着で、下ろさなくても用が足せるタイプがあります。これがあればトイレの時間が劇的に短縮できます。
  • 脇汗インナー:着物はクリーニング代が高いので、汗染みは厳禁。脇汗パッド付きのインナーは必須アイテムです。
  • クリップ活用:トイレの時は、着物の裾(すそ)と袖(そで)をまとめて帯にクリップで留めると、両手が使えて安心です

 

4.3 「ホワイトな職場」を見分ける質問

 

面接の時に、勇気を出して聞いてみましょう。

  1. 「着替えの時間は勤務時間に入りますか?」:これを聞いて嫌な顔をするお店は要注意です。
  2. 「制服は本式の着物ですか? 二部式ですか?」:初心者は「二部式」のお店を選ぶと、着付けの苦労がなくて楽です
  3. 「エレベーターはありますか?」:着物で階段を料理を持って往復するのは、転倒のリスクもあって大変危険です。

5. まとめ:それでも着物バイトをおすすめする理由

 

ここまで「きつい」話ばかりしてしまいましたが、それでも着物バイトには他にはない魅力があります。

  • 一生モノの技術:着付け教室に通えば高いお金がかかる技術を、お給料をもらいながら覚えられます
  • 品格が身につく:美しい所作や言葉遣いは、就職活動や将来の生活で必ずあなたの武器になります。自己PRで「料亭で働いていました」と言うと、忍耐力やマナーを高く評価されることが多いです
  • 自分に自信がつく:大変な仕事をやり遂げた経験は、大きな自信になります。「あのきつい現場を乗り越えられたんだから、他でも大丈夫!」と思えるようになります。

「きつい」のは事実ですが、それ以上の「価値」がある仕事です。

まずは、自分が「楽に稼ぎたい」のか、「自分を磨きたい」のかを考えてみてください。もし後者なら、着物バイトはあなたにとって最高の経験になるはずです。

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